出産が近づくとママの体にいろいろな兆候が現れます。これらはお産が少しずつ近付きつつあるサインです。
同時に赤ちゃんも出産に向けての準備を始めます。お産の始まりのサイン、兆候を知っておくと
慌てずに出産に向けて用意できます。
■お産の予備サイン
恥骨が痛む
赤ちゃんが下がってくると恥骨や足の付け根が圧迫されて、ひきつるような痛みを感じます。
胃がすっきりする
赤ちゃんが子宮ロに下がってくると子宮も下がるので、胃への圧迫がなくなり、不快感が解消されて食欲がわきます。
おなかが張る
赤ちゃんが下がってくると子宮の収縮が始まり、おなかが張ります。最初のうちは痛みはありません。
おりものが増える
赤ちゃんがスムーズに産道を過れるようにするために、白くて水っぽいおりものが増えます。
胎動が少なくなる
頭を下にして赤ちゃんが骨盤内に納まるので、動きにくくなり胎動が少なくなります。
トイレが近くなる
子宮が膀胱を圧迫するのでトイレの回数が増えます。さらに、膿が圧迫されて便秘になることもあります。
おりものが増える
白くて水っぽいおりものが増えてきます。これは、赤ちゃんが産道を通りやすくするための身体の反応です。
腰痛になる
赤ちゃんが下がり、腰を圧迫するので痛みを感じるようになります。
■お産の始まり方
ここではどんなお産の始まり方があるのか見ていきましょう。
陣痛で始まるお産
陣痛とは、赤ちゃんを押し出そうとして、規則的に繰り返して起こる子宮の収縮のことです。感じる痛みの強さはさまざまですが、だんだん強くなります。
周期的に痛みがやってきて、痛みと痛みの間には全く痛みを感じないのが特徴。陣痛が始まるしくみははっきりわかっていませんが、最新の研究では、赤ちゃんが脳からホルモンを分泌し、母体に陣痛を起こさせるきっかけを与えるのではないかと言われています。
赤ちゃんが、「もうそろそろ出るよ」とママに合図を送ることで、出産が始まるのかもしれませんね。
臨月になると、おなかの張りが頻繁にあったり、軽い痛みをたまに感じたりするので、陣痛がきても「ホンモノ」かどうか気づかないのでは?と不安に思うかもしれません。
でも本物の陣痛は、単発ではなく規則的に、また次第に間隔を縮めてやってくるので、違いははっきりわかるはず。本当の陣痛かどうかわからないような子宮収縮で生まれてしまうなら、こんな幸せなことはないですよね。
ただ「周期的なおなかの痛み」だけを注意していると病院に行くのが間に合わないことがあります。周期的な腰の痛みとして感じることもあるからです。
最初は1時間おきや30分おきだった痛みが、だんだんと5、6時間かけて10分周期になってきたら本格的な陣痛です。痛みが来た時刻をメモしておくと陣痛の周期がわかりやすいでしょう。
陣痛の前段階として、前駆陣痛というものがあります。前駆陣痛は、不規則な周期で子宮の収縮が続き軽い痛みを伴うこともあるという、いわば陣痛の予行練習のようなものです。
前駆陣痛があってから、すぐ翌日に陣痛がきたという人もいれば、本番までかなり間が開く人もいます。
たいていの産院などの施設(産院や病院)では、陣痛が10分間隔になったら来るように指示していると思います。でも、痛みがくる周期が不規則、胎動が全くなくなった、などの気になる症状があったら、早めに病院に電話して相談しましょう。
何も問題がなければ、陣痛が10分間隔になってから電話連絡し、あわてず病院へ向かいましょう。この段階から分娩まで、初産婦さんで12〜16時間、経産婦さんでも6〜8時間かかります。
「おしるし」で始まる
お産が近くなると子宮口が少し開きます。このとき子宮の壁にくっついている卵膜がちょっとはがれて、少し出血することがあります。
これと子宮の入り口の粘液とが混じり、粘り気のある出血があることを「おしるし」と言います。予定日が近くなり、いよいよ出産間近という時の出血で、量はごく少量です。
おしるしがあったら、病院に連絡し指示を仰ぎましょう。また、注意したいのが大量の出血(月経の、量が多いときくらい)があった場合です。おしるしで大量の出血があることはないので、別の原因が考えられます。すぐに病院に連絡しましょう。
おしるしがあったということは、子宮口が少し開いてきたという証拠ですが、すぐに分娩となるわけではないので落ち着いて。
おしるしの後、陣痛が始まることが多いので、そろそろ出産という心構えを持ちましょう。そのほかは、買い物や散歩に行くなど、普段と変わらない生活をしていても大丈夫です。今のうちに、お風呂やシャワーでさっぱりしておくのもいいですね。
破水で始まる
胎児を包んでいる卵膜が破れて、羊水が流れ出るのが破水です。赤ちゃんは卵膜によって守られているので、この膜が破れることで心配なのが胎児の細菌感染。
よって、破水をしたと思ったらすぐに病院に連絡して入院する必要があります。お風呂に入ったりシャワーを浴びたりするのは、感染予防の観点から、もちろん禁止です。
いきなりドバッと羊水が流れ出るものだけが破水ではありません。尿もれかな? という程度の、水がチョロチョロとしか出ない破水もあります。
破水であれば、からだを動かすたびに少し流れ出るとか、意識して力を入れても自分で止められず流れ出てきてしまうのが特徴です。
しかし、自己判断せず、迷ったときは病院に連絡して診察してもらうのがいちばんです。
破水の場合、できるだけ安静に移動するため、病院へは車で行きましょう。大量の羊水が流れ出ているようなら、シートにバスタオルなどを敷いて。流れ出る羊水が少量なら夜用ナプキンを当てるだけで大丈夫です。
病院に着いてからは、車いすで病室に移動し、安静にしてお産につながる本格的な陣痛を待つことになります。この間、血液検査や母体の診察などで、赤ちゃんに細菌が感染していないか注意が払われます。
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